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Aokijima

80歳になった「ねえちゃ」と、その里の記録です

夫の病

「ねえちゃ」は、5年前に亡くなったおじいさんと52年間連れ添いました。このうち後半の20年ほどは、連れ合いの病気の世話とお酒との闘いに追われる日々だったようです。

山崩れや地滑り、洪水対策など、山奥で治山・治水の仕事に携わっていた夫は、いつも危険と隣り合わせでした。まだ30代で子どもも小さかったころ、橋から転落して1週間くらい意識不明になり、死を覚悟したこともありました。

年をとってからも、胃がん、高血圧症、腰痛など、いろんな病気を患いました。そんな中でも「ねえちゃ」がいちばん辛く、ショックだったのは、お酒の病だったようです。

結婚したてのころから、連れ合いは仕事が終われば飲む毎日でした。山のなか、遠くにある酒屋さんまで歩いて行っては、重たい瓶を抱えて帰ってくる。それが「ねえちゃ」の毎日欠かせない「思い出すのもイヤ」な大仕事でした。

それでも飲むだけ飲んで、寝て起きれば山を歩き回って仕事に明け暮れている、そんなむかしは、まだよかったようです。やがて定年を迎えると、朝から晩まで飲みつづけてという生活が始まってしまったのです。