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Aokijima

80歳になった「ねえちゃ」と、その里の記録です

歯医者嫌い

子どものころ、いちばん嫌だったのが歯医者通いでした。あのキ~ン、キ~ンという高い音。神経の近くきたときの防ぎようのない痛み。

頭に浮かべるだけで、恐怖が走りました。学校の検診で虫歯があると判定されたときのショックといったらありません。

歯医者さんの門の前まで来ても何か言いわけをみつけて、寄らずに家に帰る、といったことを何度も繰り返しました。

そんなことしていると、母から「歯だけは、寝ていれば治るってことはなくて、悪くなるだけ。つべこべ言わずに行ってきなさい」と怒られたものです。

ところで、奥歯がスコーンと抜けてしまった「ねえちゃ」。近くの歯医者さんに、電話で予約をしてはキャンセル、再度、予約を入れてもまたキャンセルしてしまいました。

「だったら、近くなんだから散歩のついでに寄って、すいてるようだったら治療してもらい、混んでたら予約を取ってくればいいじゃない」というと、すんなりと「そうだね」。

ところが、この1週間、たびたび歯科医院の入口の前まで出かけては、「きょうは、診療日時を確かめるだけにした」などと言いわけをして、行っては寄らずに帰る、を繰り返しています。

「ねえちゃ」も「痛い」のが相当に嫌いなのでしょうか。それとも、「外出して何かをする」ということ自体を受け付けない、こころのバリケードのようなものが出来てしまっているからなのでしょうか。

むかしは「ねえちゃ」も、「きょうは歯医者さんに行かないとダメよ」と怒っていたお母さんだったはず、なのですが。