Aokijima

80歳になった「ねえちゃ」と、その里の記録です

デパート

小さいころ「こどもの日」とかいうと、家族でデパートへ行くのが楽しみでした。

キラキラした品物がたくさん並んでいて、いちばん上の階には、お子様ランチやハンバーグなど何でも食べられるファミリーレストラン。屋上には、コーヒーカップや観覧車などいろんな遊具のある遊園地がありました。

長野市にはむかし「丸光」と「丸善」という地場資本の大きなデパートが二つあって、連休とかには家族連れであふれかえっていました。でもやがて、ダイエーイトーヨーカドーなど大型スーパーが入ってきて競合するようになります。

ダイエーの長野店は、ねえちゃが40歳から20年近く勤めた職場となったところです。買い物ついでに家族で、ねえちゃがどんなふうに働いているのか覗きにいったこともありました。

こうした大型スーパーやコンビニなどの台頭で、デパートは次第に元気がなくなってきました。光り輝いていた長野県最大のデパート「丸光」も、1982年には、名前を変えて、そごうとの業務提携に踏み切らざるを得なくなり、やがて倒産します。

丸善」は東急グループの傘下に入り「東急」として続いていますが、休日などに家族で連れ立って遊具などで楽しむ、という雰囲気はもうありません。

一方で、ねえちゃが働いていたダイエーも、2000年末をもって閉店へと追い込まれました。記憶や思い出が詰まったお店が、寂しいかな、次々に消え去っていきます。