Aokijima

80歳になった「ねえちゃ」と、その里の記録です

嫁姑

「ねえちゃ」の連れ合いは、もともと群馬県の中学で数学の教師をしていました。

ところが、広島県で起こった生徒の自殺問題のような、相当に深刻な出来事に絡んで2年足らずで辞めざるを得なかったようです。

それで縁もゆかりも無かった長野県へやってきて、山で、営林署の職員として働くようになります。転勤していった営林署の事業所で働いていた「ねえちゃ」と知り合い、1959年に結婚しました。

2人とも年の離れた末っ子同士。当時、2人の両親で生きていたのは「ねえちゃ」のお父さんだけでした。

県南の天竜峡というところで挙げた結婚式で、新郎側で職場関係以外から出席したのは、たまたま県内に住んでいた親族1人だけだったそうです。

そんなわけなので「ねえちゃ」は、舅、姑にあたる人を知りません。当然、いっしょに暮らすこともありませんでした。

お酒などで夫には相当に苦労した「ねえちゃ」でしたが、「おかげさまで両親の介護や姑との諍いとかには無縁だったのは、幸せ」とよく言います。

「ねえちゃ」にはいま、お嫁さんが2人いますが、いっしょに暮していないこともあって、これまで、これといったトラブルもなく順調な関係を保っています。

ひょっとすると「嫁いびり」を伝授される機会がなかったのが、幸いしているのかもしれません。