読書
「ねえちゃ」のいまの悩みの一つは、何もやることがないことです。いつか四国八十八か所巡りをしたいと言い出したことがあったので、ガイドブックを何冊も送ったのですが、ほとんど見ることなく興味はじきに失せてしまいました。
「眼はすごくいいんだから好きな本を借りてきて読んでみたら」と、歩いて5、6分の公民館の図書室へ本を借りに連れて行ったこともあります。けれど、1回借りてはみたものの、読まずに返しただけで、それっきり。
残念ながら本の面白さからも、必要性からも、近年はトンとご無沙汰、ということになってしまっているようです。
以前も紹介した、1995年と見られる夫のアルコール依存症の日記には、次のような記述があります。
「11月14日 お父さん、仕事に行かず休む。朝より本を読んで見るがあまりに大きなショック。全部がお父さんの症状に当てはまり、このまま生活をして行く事が出来るか不安になって来る。
お父さんにも読んでもらう。自分も少しは自覚した様に見える。仕事があるので、入院は困ると云う。二人で頑張ろうと云うと、頑張ると云う」
本を読み、本をよりどころにして、病気に打ち勝とうと懸命に努めていた時もあったのですけれど……。