Aokijima

80歳になった「ねえちゃ」と、その里の記録です

カギの鈴

山の仕事をしていた「ねえちゃ」の夫は、キーホルダーのようにして、クマよけのための大きな鈴を身につけていました。クマは警戒心が強いため、鈴などの音がすると近くに寄って来ないといわれているからです。

「ねえちゃ」のカギには、そんなクマよけ用を思わせる大きな鈴が付いています。だから、家の中でも、散歩のときも、カギを持っていると、うるさいくらいにリンリンと大きな音が響き渡ります。

このカギの鈴が効力を発揮しているのか、外出のときにカギを失くしたり、カギを忘れていったりすることは、いまのところほとんどありません。

カギのかけ方を忘れることも、いまのところはないようです。ただし、いつだったか、金庫のカギが開かなくなって大騒ぎをしたことがありました。

「カギを差し込んで金庫を開けようとしても、動かない。きっと泥棒が入ってカギ穴を取り換えに違いない」とか何とか、わけのわからないことを言うのです。

仕方がないのでカギ屋さんに来てもらったところ、単に「ねえちゃ」がカギの開け方を忘れてしまっていただけでした。ちなみに、金庫のカギには鈴は付いていません。