Aokijima

80歳になった「ねえちゃ」と、その里の記録です

長電話

ねえちゃの家にはめったに電話はありません。でも、保険の勧誘とか、健康機器の押し売りとか、政治家の後援会からとか、たまに知らない人からかかってきます。

5年前に亡くなったねえちゃの連れ合いは、すごく慎重で、こうした電話は一切受け付けないだけでなく、近親の私が「オレだけど……」など電話をしても問答無用で切ってしまいました。

ねえちゃの家の電話は、息子たちや親せきなど知り合いからかかって来ると、自動的に大きな声で「***さんから電話です」と鳴るようになっています。

「それ以外の、特に“非通知”や“0120”から始まる番号が電話に表示されたら絶対に出ちゃだめ」と、いつも言っています。

でも、いざ電話が来ると、ねえちゃは、そんなのぜんぜん忘れて、いちいちご丁寧に応対してしまいます。

きのうも、随分と長く電話をしているな、と思ったら「保険を変更しませんか」的な勧誘だったようです。

「なに話していたの?」と聞くと、「何言ってんのかさっぱり分からないけど、向こうが話しまくって止まらないんだもの。それに付き合ってた」とのん気にいいます。

それには、こちらのほうが妙に熱くなって、電話をかけてきた会社にあてて「ボケた年寄りをだますような電話をかけるな」と怒鳴りつけ、「迷惑」登録をして二度とかかって来ないように設定しました。